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Kantansuigazo Volume 10, Issue 2 （March 2008）

肝胆膵画像 10巻2号（2008年3月発行）

Japanese English

特集 MDCTは膵・胆道癌の診断にどこまで迫れるか

MDCTは胆管癌の術前診断・管理体系を変えたか Did MDCT Change Preoperative Staging and Management of Bile Duct Cancer? 上坂克彦 ¹ , 前田敦行 ¹ , 松永和哉 ¹ , 金本秀行 ¹ , 坂東悦郎 ² , 齋藤修治 ² , 古川敬芳 ³ Katsuhiko UESAKA ¹ , Atsuyuki MAEDA ¹ , Kazuya MATSUNAGA ¹ , Hideyuki KANEMOTO ¹ , Etsuro BANDO ² , Shuji SAITO ² , Hiroyoshi FURUKAWA ³ ¹静岡県立静岡がんセンター肝胆膵外科 ²静岡県立静岡がんセンター消化器外科 ³静岡県立静岡がんセンター画像診断科 ¹Division of Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery, Shizuoka Cancer Center Hospital, Shizuoka ²Division of Gastroenterological Surgery, Shizuoka Cancer Center Hospital, Shizuoka ³Division of Diagnostic Radiology, Shizuoka Cancer Center Hospital, Shizuoka キーワード： MDCT , 減黄前MDCT , 胆管癌 , 肝門部胆管癌 Keyword: MDCT , 減黄前MDCT , 胆管癌 , 肝門部胆管癌 pp.139-146

発行日 2008年3月15日 Published Date 2008/3/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100024

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要旨

　胆管癌の術前診断・管理体系は従来たいへん複雑であった．当院では胆管癌に対し減黄前にMDCTを撮影し，これに基づいて進展度診断と術式立案を行う方式を採用してきた．水平方向への診断においては，「造影効果を有する胆管壁の肥厚像」と「壁肥厚部分とその上流の胆管内腔径の変化」をもって癌の範囲を診断した．2002年11月～2007年6月までに減黄前にMDCTを撮影し手術を行った上部・肝門部胆管癌は38例であり，その根治切除率は87%，3年，4年生存率は72%，64%と比較的良好な成績であった．減黄前のMDCTによる胆管癌の診断には，表層拡大進展を診断できないこと，良性疾患との鑑別が必ずしもできないこと，などの課題が残るが，高い根治切除率が得られ術前管理を簡素化できる大きなメリットがある．