Japanese
English
症例報告
10年後に切除しえた膵粘液性嚢胞腺癌の1例
A Case of Non-inrasive Mucinous Cystadenocarcinoma Which was Resected After Ten Years Follow Up
小山内 学
1
,
丹野 誠志
1
,
羽広 敦也
1
,
柳川 伸幸
1
,
高後 裕
1
Manabu OSANAI
1
,
Satoshi TANNO
1
,
Atsuya HABIRO
1
,
Nobuyuki YANAGAWA
1
,
Yutaka KOGO
1
1旭川医科大学第三内科
1Third Department of Internal Medicine, Asahikawa Medical College
キーワード:
膵粘液性嚢胞腺癌
,
非浸潤癌
,
経過観察
Keyword:
膵粘液性嚢胞腺癌
,
非浸潤癌
,
経過観察
pp.599-604
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900455
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患者は52歳,女性.1991年,他院で膵尾部に3cm大の嚢胞性病変を指摘され,95年には6cmに増大するも経過観察されていた.2001年6月には、8cm大となり当科紹介入院となった.入院後のUS,EUSでは類円形の嚢胞性病変で,一部に石灰化を伴う隔壁構造を認めるが,嚢胞内容液のエコー輝度が高く、細部の評価は困難であった.CT,MRIでは一部に石灰化を伴う隔壁構造と淡く造影される壁在結節を認めた.ERPでは主膵管と嚢胞との交通は認めず、圧排所見のみであった.膵粘液性嚢胞腫瘍の診断で膵体尾部・脾合併切除術を施行した.病理組織学的には,粘液性嚢胞腺腫に変性と二次的な硝子化,コレステリン形成などが加わった病変が背景として存在し,変性した壁在結節の一部に残存する腺癌部分を認めた.非浸潤性の膵粘液性嚢胞腺癌であった.
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