技術講座 超音波技術の新しい展開
IDUSの適応―消化管をみる
三島 利之
1
,
長南 明道
1
1JR仙台病院消化器内視鏡センター
pp.367-371
発行日 2002年5月15日
Published Date 2002/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900420
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●IDUSの適応
超音波内視鏡(Endoscopic ultrasonography,以下EUS)には,内視鏡先端に超隊波探触子が装着してある専用機と,内視鏡の鉗子口から挿入して走査できる細径超音波プローブ(Intraduclal ultrasonography,以下IDUS)の二者がある.IDUSの特徴は,病変を直視下に観察しながら走査できること,および高周波数の超音波を用いるため消化管壁浅層の高解像度の画像が得られることである.その良い適応は,専用機で描出困難な小さな病変,丈が低い病変,浅い病変,潰瘍成分を伴わない,もしくは潰瘍の深さが粘膜下層の浅層にとどまる病変などである.部位別にみると,胃では,専用機での走査が難しい噴門部,幽門前部において有用である.また,管腔径の小さな食道や大腸においては,進行癌や粘膜下腫瘍の一部の診断にも用いられる.特に大腸においては,専用機を深部結腸まで挿入することが困難な場合があり,細径プローブが代用されることがある.三次元表示が可能な機種も開発されており,化学療法前後の腫瘍量の測定などに応用されている1).
一方,IDUSは深部減衰のため,丈の高い病変,深い病変,大きな病変,深い潰瘍を伴う病変などでは,適応とならないことが多い.また周辺臓器の描出も困難な場合が多い.
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