Japanese
English
症例報告
主膵管狭窄をきたした膵漿液性嚢胞腺腫の1例
A Case of Serous Cystadenoma with Stenosis of the Pancreatic Duct
松田 正道
1
,
渡辺 五朗
1
,
橋本 雅司
1
Masamichi MATSUDA
1
,
Goro WATANABE
1
,
Masaji HASHIMOTO
1
1虎の門病院外科
1Department of Surgery, Toranomon Hospital
キーワード:
膵漿液性嚢胞腺腫
,
膵管狭窄
,
膵管拡張
,
膵癌
Keyword:
膵漿液性嚢胞腺腫
,
膵管狭窄
,
膵管拡張
,
膵癌
pp.91-95
発行日 1999年1月15日
Published Date 1999/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900014
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患者は77歳,女性.1996年健診の腹部超音波検査で膵体部に径10mm大の低エコー腫瘤を指摘され,1997年に20mm大へと増大したため当院へ紹介入院となった.病変は超音波上膵体部に存在し,境界明瞭な低エコーを示し,内部は多数の小嚢胞の集簇によって構成されていた.超音波内視鏡検査でも5mmを最大とする多数の小嚢胞の集簇により構成される病変であり,膵漿液性嚢胞腺腫を強く疑った.しかしERCPで腫瘍に一致した15mmにわたる主膵管の狭窄像と尾部主膵管の拡張像が確認され,小膵癌の可能性を拭い去れずに手術を施行した.組織学的検索により腫瘍は漿液性嚢胞腺腫であることが確認され,主膵管が嚢胞によって圧排されて狭小化し,尾側膵管が拡張したものと考えられた.
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