Japanese
English
症例報告
膵癌と鑑別を要した良性膵管狭窄の1例
A Case of Benign Stenosis of the Pancreatic Duct Mimicking Pancreatic Carcinoma
窪川 良廣
1
,
有山 襄
1
,
須山 正文
1
,
崔 仁煥
1
,
山中 晃一郎
1
,
若林 香
1
,
三輪 健
1
,
須田 耕一
2
,
信川 文誠
2
,
和泉 元喜
2
,
日下部 照夫
3
,
森 秀樹
3
Yoshihiro KUBOKAWA
1
,
Jo ARIYAMA
1
,
Masafumi SUYAMA
1
,
Jinkan SAI
1
,
Kouichirou YAMANAKA
1
,
Kaori WAKABAYASHI
1
,
Ken MIWA
1
,
Koichi SUDA
2
,
Bunsei NOBUKAWA
2
,
Motoki IZUMI
2
,
Teruo KASUKABE
3
,
Hideki MORI
3
1順天堂大学消化器内科
2順天堂大学病理
3日下部病院外科
1Department of Gastroenterology, Juntendo University
2Department of Pathology, Juntendo University
3Division of Surgery, Kusakabe Hospital
キーワード:
良性膵管狭窄
,
膵癌
,
線維化
,
過形成
,
診断
Keyword:
良性膵管狭窄
,
膵癌
,
線維化
,
過形成
,
診断
pp.479-483
発行日 2000年7月15日
Published Date 2000/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900204
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患者は55歳男性.上腹部痛を主訴に他院を受診し,膵癌を疑われて当院に転院した.体外式超音波検査で膵体部に辺縁が低エコー,中心部が高エコーの腫瘤像がみられた.CTでは膵体部は著明に萎縮し,この部に低吸収域がみられた.ERCP,MRCPによる膵管像では主膵管は膵体部で狭窄を認め,膵癌との鑑別を要した.EUSで膵体部に点状高輝度エコーを有する低エコーの腫瘤像がみられたが,IDUSでは腫瘤は描出されず,良性の膵管狭窄を疑った.腹痛を繰り返したことから膵体尾部切除術を行った.病理組織学的検索では,主膵管,分枝膵管に粘液細胞化生を伴った過形成上皮を有し,狭窄部主膵管周囲に著明な線維化がみられた.
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