技術講座 超音波内視鏡(ラジアル走査式)による膵・胆道領域の描出法
第1回 標準的描出法―まず胃内から膵体部を描出する
真口 宏介
1
,
斉藤 吉毅
2
1手稲渓仁会病院消化器病センター
2オリンパス光学工業(株)超音波事業推進部
pp.726-731
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100423
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こんにちは,これから6回に分けて超音波内視鏡(Endoscopic ultrasonography:EUS)による膵・胆道領域の描出法の連載を始めます.
ご存知の通り,EUSは走査法によりラジアル式とコンベックス・リニア式の大きく2つに分けられます.ラジアル式はスコープを中心に周囲360°の画像が得られることから病変の位置の把握,周囲との関係が解りやすく膵・胆道疾患の精査法のみならず準スクリーニング的にも用いられ,日本の多くの施設で使用されています.これに対し,コンベックス・リニア式は断層像の方向が限定されますが,画像の安定性が良く,カラードプラ診断や穿刺術(fine needle aspiration:EUS-FNA)が可能であり,欧米で数多く利用されています.この背景には,日本では画像診断に重点を置いた診断体系の中でEUSを利用しているのに対し,欧米ではCT等で指摘した異常病変の組織診断をすぐに行う,という診療体系の違いがあります.もちろん,両者とも重要な検査法ですから,上手に活用することが最も大事なことですし,日本においてもEUS-FNAが徐々に普及しつつあるところです.そこで,まずラジアル式EUSによる膵・胆道領域の描出法の連載を行い,その後にコンベックス・リニア式EUSを取り上げ連載したいと考えています.ですから,今回の連載中は,EUSという表現はラジアル式を意味しますのでそのように理解して下さい.
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