講座 最新の消化器CT診断
消化管診断にCTは役立つか?
山下 康行
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部 放射線診断学部門
pp.736-740
発行日 2003年9月15日
Published Date 2003/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100424
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従来,消化管の診断はCTの比較的苦手とするところであったが,最近ではvirtual endoscopy,イレウスの診断や癌の深達度診断,虫垂炎の診断などCTが活用される機会が増えている.その中で,特に最近はvirtual endoscopyが,大腸や胃のポリープや腫瘍性病変の比較的侵襲の低い検査法として注目されている.この方法は短い撮影時間で,非侵襲的に内視鏡像が得られるばかりか(図1),原画像を同時に評価することによって腫瘍と消化管および他臓器との三次元的な位置関係が容易に把握できる.また三次元CT像と原画像,MPR像を合わせて評価することにより,腫瘍の粘膜下への浸潤も評価可能である(図2).さらにvirtual endoscopyでは通常の内視鏡では不可能な視点が設定でき,狭窄部を越えた部位の観察も可能である.
様々な三次元画像処理
ワークステーションによって三次元画像処理により次のような画像が得られる1)(図3).
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