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●コンベックス型超音波内視鏡検査を始める前に
1.前処置は十分に
超音波内視鏡検査は通常の内視鏡検査に比して時間を要し,また内視鏡を微妙に出し入れするため患者さんへの負担が大きいと考えられます.当施設では,患者さんへの負担を少しでも軽減するためドルミカム,さらに追加が必要なときはペンタジンを鎮静剤として使用しています.また,鎮痙剤は病変の微妙な描出の際や正確な穿刺には欠かせないものなので必ずブスコパンを使用します.もし心疾患,前立腺肥大,緑内障などでブスコパンが使用できない患者さんにはグルカゴンを使用してください.
2.事前に機器のチェックを
検査に慣れてくると機器を十分にチェックしないで検査を始めることがあります.①バルーンが正しく装着されているか,②破損はないか,③超音波画像が確かにでるか,④フォーカスやSTCは正しく調整されているか,⑤記録装置が正しく作動しているか,など内視鏡を患者さんに挿入する前に必ずチェックしておいてください.
3.基本的な機器の配置,内視鏡の持ち方
ラジアル型超音波内視鏡の標準走査の項で真口先生が強調されたと思いますが,術者の内視鏡の持ち方がテレビモニターの位置により微妙,あるいは大幅に変わることに注意してください.テレビモニターが術者の正面にない場合には,ともすれば術者が体全体でモニターの方向に向いてしまうことがしばしば見受けられます.この場合,内視鏡を持つ手もその方向に向いているため内視鏡軸に歪みが生じています.コンベックス型超音波内視鏡では,特に内視鏡軸の回転により描出される画像が大きく変化しますので,絶えず内視鏡軸の基本的な位置は正面であると意識して走査してください.すなわち,走査の起点としては術者の体は正面を向き,顔はモニターを向くことになります.
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