技術講座 超音波内視鏡(ラジアル走査式)による膵・胆道領域の描出法
第6回 十二指腸球部・胃前庭部から膵体部を描出する
真口 宏介
1
,
斉藤 吉毅
2
1手稲渓仁会病院消化器病センター
2オリンパス(株)医療システムカンパニー
pp.549-554
発行日 2004年7月15日
Published Date 2004/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100315
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さて,いよいよラジアル走査式EUSによる膵・胆道領域の描出法の最終回です.今回は,膵頭体移行部から膵体部の描出について解説します.実は,ここはEUSによる描出の難しい領域の1つです.ですが,欧米のEUS専門家の先生方はこの領域の難しさを理解していないようで,参考書等にもほとんど記載がありません.ここでは,私なりに出来るだけわかりやすく説明したいと思います.
●頭体移行部から膵体部の描出が難しい理由
皆さんは,体外式US検査を施行していると思いますが,膵体部は膵頭部や膵尾部に比べUSでは描出しやすい領域であることに異論はないでしょう.ですが,EUSでは膵体部の特に正中より右側が観察しにくい部位なのです.理由は,胃や十二指腸と膵との解剖学的位置関係によるものです.言い換えれば,スコープ先端の位置や向きに影響されるということです.では,図1をご覧下さい.胃内でのスコープの動きと膵との位置関係を示したものです.胃体部からは,膵体部と膵尾部が描出できることを本技術講座の第1回,第2回で説明しました.この時スコープは図1aに位置しており,描出可能な膵体部の領域は,ほぼ身体の正中までであり,膵体部の右側(赤線領域)は観察できていないのです.
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