脱Couinaud肝切除

Evolution of the Liver Surgery from the US Guided Hepatectomy Based on Couinaud's Anatomy

要旨　Couinaudはsegmentationを無視して，右前区域（right paramedian sector）と右後区域（right lateral sector）の境界は，right portal fissure（右肝静脈）であると定義した．このCouinaudの解剖を基礎に，肝静脈を境界として術中エコーガイド下肝切除が20年以上一般的に行われてきた．しかし後区域尾側枝は53％の症例で右肝静脈の腹側を走行するなど，肝静脈は区域の境界を必ずしも走行しないことが明らかとなった．そこで筆者らは門脈segmentationに沿って，すべての肝切除を肝門部から各fissureを開いて流入血行遮断をして阻血域のみを肝切除する脱Couinaud手術を提唱し，出血も少なく短時間で施行することができる系統的手術であることを報告した．

消化器画像2006 ; 8 : 335-343