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書評「COUINAUD 肝臓の外科解剖」
長谷川 博
1
1茨城県立中央病院
pp.30
発行日 1997年1月25日
Published Date 1997/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104947
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畏友・二村雄次教授のご指導の下に日本語になったCouinaud先生の著書を拝見し,改めて親友Couinaud教授の偉大さを痛感した.また,すばらしい日本語にお化粧!と言うよりも,新しい本をクリエートされた二村教授ご一派のセンスとご努力に改めて敬意を払いたい.
訳者序文にあるように,私は“Le Foie―études anatomiques et chirurgicales”というCouinaud先生の不朽の名著(Masson & Cie, 1957)を読みかじって肝臓の外科を始めた.フランス語というのは,日本語と言語体系が違い,考え方に飛躍があってよく面食らった.1つの極端な例が数列で,91と日本語ではサラリと言うところを,フランス語では4×20とeleven(11)と言う.この複雑な言い方のほうが間違いがなく,かえって早いというのがフランス語の真髄らしい.したがって,翻訳途中で日本語に訳し切れない暗礁に乗り上げたときには,二村先生はCouinaud先生と頻回な直接面接ないし頻繁なFAXのやりとりがあった由.このような翻訳作業は前例がないのではないかと尊敬している.
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