Japanese
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特集 進行膵癌への挑戦
新しい増感剤を用いた放射線療法
Radiotherapy for Pancreatic Cancer Using a Novel Radiosensitizer
唐澤 克之
1
Katsuyuki KARASAWA
1
1東京都立駒込病院放射線科
1Department of Radiology,Tokyo Metropolitan Komagome Hospital
キーワード:
放射線治療
,
膵癌
,
放射線増感剤
,
低酸素細胞増感剤
,
術中照射
Keyword:
放射線治療
,
膵癌
,
放射線増感剤
,
低酸素細胞増感剤
,
術中照射
pp.659-665
発行日 2005年9月15日
Published Date 2005/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100061
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要旨 膵癌の予後不良の一因として,放射線治療による局所制御の困難さがあり,外部照射に加えて,術中に大量の放射線を加えても十分な局所制御が得られているとは言えない.その原因としては膵癌細胞の放射線抵抗性が考えられ,特に低酸素細胞の関与が指摘されている.今回開発された新しい低酸素細胞放射線増感剤PR―350(ドラニダゾール)はこれまでの薬剤が持っていたそれ自体の毒性が低減される一方,膵癌の術中照射に併用することにより,局所制御効果が向上する可能性が示唆された.非切除膵癌の術中照射へのプラセボ比較のRCTにより,有意な生存率の改善は認められなかったが,長期生存例が約2割に認められ,今後のさらなる検討が待たれた.
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