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特集 長期生存膵管癌の臨床と画像
浸潤性膵管癌術後5年生存例の臨床像―国立がんセンター中央病院
Clinicopathological Factors of 5-year Survivors After Surgery for Invasive Ductal Carcinoma of the Pancreas
阪本 良弘
1
,
小菅 智男
1
,
島田 和明
1
,
江崎 稔
1
,
佐野 力
2
Yoshihiro SAKAMOTO
1
,
Tomoo KOSUGE
1
,
Kazuaki SHIMADA
1
,
Minoru ESAKI
1
,
Tsuyoshi SANO
2
1国立がんセンター中央病院 肝胆膵外科
2大垣市民病院外科
1Hepatobiliary and Pancreatic Surgery Division,National Cancer Center Hospital
2Department of Surgery,Ogaki Municipal Hospital
キーワード:
浸潤性膵管癌
,
5年生存
,
術中照射
,
補助療法
Keyword:
浸潤性膵管癌
,
5年生存
,
術中照射
,
補助療法
pp.445-451
発行日 2006年7月15日
Published Date 2006/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100178
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当科において1985~2000年までに切除した浸潤性膵管癌症例は,明らかな非治癒切除を除いて173例であった.5年以上の長期生存例は28例で,累積5年生存率は16.2%であった.しかし,10年生存率は8.9%であり,5年生存後にも再発死亡する症例が少なからず存在した.5年以上の長期生存を得た切除症例に共通する所見として,①膵被膜浸潤のないこと ②傍大動脈リンパ節転移が陰性であること ③腹水の洗浄細胞診が陰性であること,が挙げられる.これは,膵被膜浸潤を伴って腹膜播種予備群となった症例や,遠隔のリンパ節転移を伴う症例はすでにgeneralized diseaseとなっているため,局所治療によって長期予後を得るのは困難であるということを示していると考えられる.
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