連載 臨床で役立つ末梢神経病理の読み方・考え方・12【最終回】
腓腹神経病理から見た鑑別診断
佐藤 亮太
1
,
神田 隆
1
1山口大学大学院医学系研究科臨床神経学
pp.265-271
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201518
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
本連載では,腓腹神経病理の基本的な考え方や主要な末梢神経疾患の病理所見を解説してきた。これまで述べてきたとおり,末梢神経病理所見は末梢神経疾患を正確に診断するための1つの手段にすぎず,腓腹神経生検病理から確定診断が可能な疾患は血管炎やアミロイドーシスなどに限られる。しかしながら実際の臨床現場では,臨床データから末梢神経障害の原因がまったく想定できない症例や,複数疾患の鑑別が必要な症例に対して神経生検が施行され,神経病理所見から鑑別疾患を絞り込まなければならない症例が存在する。
連載の最終回となる今回は,当科で行っている末梢神経病理の解析手順を紹介し,腓腹神経病理所見から見た病態の考え方を紹介する。本文中に出てくる疾患の病理所見が整理できない場合には,これまでの連載を読み返して整理していただきたい。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.