書評
「認知行動療法トレーニングブック [DVD/Web動画付] 第2版」—大野 裕,奥山真司【監訳】 磯谷さよ,入江美帆,奥山祐司,川崎志保,工藤寛子,齋藤竹生,柴田枝里子,森下夏帆【訳】
川﨑 康弘
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1金沢医科大学精神神経科学
pp.894
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201371
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認知行動療法はうつ病や不安障害をはじめとした精神障害の治療として優れていることが国内外で証明されてきており,欧米では精神障害の治療において認知行動療法は第一選択の治療の1つと位置付けられている。わが国でもうつ病において診療報酬請求が認められるなど,精神科医や看護師,臨床心理士が身につけておくべき,または提供可能な重要な治療法として位置付けられるようになってきた。
本書は,米国精神医学会が研修医の教育で必須としている認知行動療法の教科書として企画されたものであり,認知行動療法を学びたいと考えている初心者だけでなく,既に経験を積んだ専門家にも役に立つ貴重で実践的な知識や技法が紹介されている。初版から10年ほどで改訂された第2版は,完成された内容を持つ初版に,認知行動療法をめぐる最近の動向や時代の要請を反映して加筆修正がなされており,例えば自殺リスク軽減を扱った章などはそれに相当するものであろう。
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