希望訪問
坂西志保さん—働く婦人に對する理解
野原 絢子
pp.38-41
発行日 1950年7月15日
Published Date 1950/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906678
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朱と縁のボデイも鮮かな湘南電車で,大磯驛について改札口を出ますと,かすかに海の響がきこえてきます。東海道線をまえにみた片側道を,5分ばかり行くと,小さな踏切番の所に出ます。線路をわたつて白いばらの垣根などのある山添いの美しい住宅街を行きますと,ガラスがきらきら光つているフレームが並んでいる大きな農園のすじ向いに,赤屋根の可愛いらしい西洋館が見え出しました。すいて見える解放的な垣根ごしに,黄色のスウエーターに,ライトグレイのタイトスカートを着た女の人が,花壇づくりをしております。私の足音にこちらをむいた拍子に顔が會うと,何とその方が坂西志保先生でありました。
先生は金魚草の根に油かすをやつておられるところでした。
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