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今月の表紙
河村 満
1
,
岡本 保
2
,
菊池 雷太
3
1奥沢病院
2富坂診療所
3汐田総合病院神経内科
pp.964-965
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200850
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今月の表紙はRossi1)による「小脳皮質性実質性原発性萎縮(atrophie primitive parenchymateuse du cervelet a localisation corticale)」という論文からのものです。この論文は,クルーゾン症候群(craniofacial dysostosis)の発見者として有名なクルーゾン(Octave Crouzon;1874-1938)の学位論文の引用から始まります。著者とクルーゾンはともにマリー(Pierre Marie;1853-1940)の弟子です。
「脊髄連合性硬化症」と題された学位論文の中で,クルーゾンは従来の病型に一致しない特殊な臨床所見—高齢発症の緩徐進行性で,協調運動障害や小脳性歩行を伴う痙縮性対麻痺を示す一群を指摘し,それらを次の3つの臨床病型に分類しているとあります。①麻痺・痙縮型:膝蓋腱反射の亢進,バビンスキー徴候を伴った緩徐進行性の非常に軽い対麻痺を特徴とする。②運動失調*・痙縮型:脊髄癆と痙縮性麻痺の徴候をいくつか併せ持つ。③運動失調*・小脳・痙縮型:運動失調,小脳症状を合併した下肢の痙縮を特徴とする。
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