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今月の表紙
河村 満
1
,
岡本 保
2
,
菊池 雷太
3
1奥沢病院
2富坂診療所
3汐田総合病院神経内科
pp.1164-1165
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200886
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今月の写真は「ウェーバー症候群の2例」という論文からのものです1)。ウェーバー症候群は,神経内科医なら誰もが知っている臨床症候ですが,典型例に遭遇することはめったにありません。
ウェーバー症候群は,ドイツ出身で主に英国で診療を行ったウェーバー(Hermann David Weber;1823-1918)の名に由来します。彼は1863年に「A contribution to the pathology of the crura cerebri」2)という大脳脚の病理についての論文を英文で発表し,ここで左大脳脚下部内側の出血巣が動眼神経根を圧排した52歳男性例を報告しています。後年,この症例の呈した症状を分析・整理したうえでウェーバー症候群と名づけたのはシャルコー(Jean-Martin Charcot;1825-1893)です3)。この命名はシャルコーの臨床講義の中で行われており,その記録をまとめたのが今回の論文の著者スーク(Alexandre-Achille Souques;1860-1944)でした。
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