現代神経科学の源流・8
ノーマン・ゲシュヴィンド【中編】
河内 十郎
1
,
酒井 邦嘉
2
1東京大学
2東京大学大学院総合文化研究科相関基礎科学系
pp.1157-1161
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200276
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(前号からの続き)
離断症候群の復興
酒井 ゲシュヴィンドに重要なヒントを与えたのは,デジュリーヌのほかにもリープマン(Hugo Liepmann;1863-1925)の「失行」の症例1)が挙げられるでしょう。失行症(apraxia)は,運動麻痺がないのに意図的な行動ができなくなるという高次脳機能障害です。リープマンは,失行を異なるタイプに分けて説明を試みました。
河内 リープマンの理論を批判的に発展させて,失行症は離断症候群であると確立したのがゲシュヴィンドでした。
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