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シュピールマイヤー(Walther Spielmeyer;1879-1935)はドイツの神経病理学者である。ベルリンに近い,ザクセン=アンハルト州のデッサウで生まれた。医学をグライフスヴァルト大学とハレ大学で学んだが,この頃から既に形態学に興味を持った。最終学年にはハレ大学精神神経科の神経病理学研究室でヒッツィヒ(Eduard Hitzig;1838-1907)の下で学び,1902年に卒業した。その後の10年間はフライブルク大学精神科のホッヘ(Alfred Erich Hoche;1865-1943)の助手として働いた。シュピールマイヤーはこのフライブルク時代に神経病理学の多くの研究で知られるようになったが,特に1911年初版の『神経系の顕微鏡研究手技』1)が有名である。これは163頁の小さな本であるが,あらゆる染色法について書いている。ちなみにゴルジ法は病理組織学研究には使えないとしている。
1913年,クレペリン(Emil Kraepelin;1856-1926)の招致により,33歳の若さでアルツハイマー(Alois Alzheimer;1864-1915)の後任としてミュンヘン大学精神神経科の組織病理学研究室の部長になり,アルツハイマーの時代と同様,国内外の多くの学究を集めた。第一次世界大戦の際にシュピールマイヤーはミュンヘン軍人病院の神経科を任され,臨床神経科医としての技量を示すことになった。同時に多くの末梢神経損傷患者を診ることになり,神経縫合の予後の研究も行った。ハイデルベルク大学医学部は,ニッスル(Franz Nissl;1860-1919)が新たに開設されたミュンヘンのドイツ精神医学研究所に移るので,その後任として精神科主任教授のポストをシュピールマイヤーに用意した。しばらく後には,ハレ大学の精神神経科も彼に主任教授のポストを提示した。
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