学会印象記
The 22nd European Stroke Conference(2013年5月28~31日,ロンドン)
河野 友裕
1
1国立循環器病研究センター脳神経内科
pp.1216-1217
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101624
- 有料閲覧
- 文献概要
2013年5月28日(火)~31日(金)にイギリス,ロンドンで開催されたThe 22nd European Stroke Conference(ESC2013)に参加してまいりました。時折ロンドンらしい小雨がちらつくこともありましたが,晴れると気温も20℃前後まで上がり過ごしやすい気候の中,テムズ川沿いのExCeL Londonという新しく,広大なコンベンションセンターでの開催でした(写真1)。この施設では2012年ロンドンオリンピックで卓球,柔道,フェンシングなどの競技が行われています。
初日の午後はTeaching Courseが行われました。“Update on stroke prevention”がテーマの講演では,Prof. Lindgren(ルンド大学)による虚血性脳血管障害のリスクファクターに関する概説が行われました。従来から指摘されている高血圧症,脂質異常症,糖尿病などに加え,新たに危険因子となりうる項目として炎症マーカー(CRP,ICAM-1,eNOSmm)や感染症罹患(Chlamydia PneumoniaeやHelicobacter pylori,サイトメガロウイルスなど),血液凝固異常症などの説明はわかりやすい内容でした。またスコアシステムを用いて10年間の致死的心血管病イベント発症予測を行うリスク計算(Eur Heart J 33: 1635-1701, 2012)の説明も行われました。そのほかに,Prof. Kappelle(ユトレヒト大学メディカルセンター)による一過性脳虚血発作/脳梗塞の2次予防のエビデンスとギャップに関するレクチャーなどが印象的でした。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.