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2015年5月13〜15日の3日間,オーストリア,ウィーンにて開催された第24回European Stroke Conference(ESC:ヨーロッパ脳卒中会議)に参加しました.ESCは1990年にスイスのJ. Bogousslavsky教授(元ローザンヌ大学教授.ローザンヌ脳卒中レジストリを構築)とドイツのM. G. Hennerici教授(ハイデルベルグ大学マンハイム校主任教授.Cerebrovascular Diseasesのeditor in chief)が世界中の脳卒中に関連する臨床家と研究者の定期的な交流をサポートする目的で設立された学術集会です.世界中から毎年3,500人を超える参加者が一堂に会します.今回の学会では,本邦からも多くの脳卒中に関わる脳神経外科および神経内科の先生方が参加・発表されていました.
Hennerici教授が開会の辞で強調されていましたが,本学会は財政的な独立性を目指し,企業などからの財政的なサポートを極力避けているとのことで,純粋に学術的に興味深いプログラムが組まれていると感じました.特に今年は脳神経外科のセッションや,動脈瘤のセッションが組まれており,本邦からも森田明夫教授(日本医科大学)がUCAS JAPANについて発表されており,会場は盛況でした.その他,“Inflammation & stroke”,“Penumbra reperfusion”などのリーサチトピックもそれぞれの最先端の研究をまとめて拝聴することができ,今後の基礎研究のヒントを多数得ることができました.また,例えば頭蓋内動脈狭窄に対するステント治療の有効性を論じたSAMMPRISのfirst authorであるM.I. Chimowitz教授が,論文以降のデータを交えながらSAMMPRISの解説をしてくださるなど,論文でお名前を見る先生方のお話を実際に聞くことができたことも勉強になりました.
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