書評
「神経内科の外来診療 医師と患者のクロストーク・第3版」―北野邦孝●著
桑原 聡
1
1千葉大学・神経内科学
pp.678
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101521
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神経疾患の研究は1990年以後,分子遺伝学・生物学の時代に入り飛躍的に発展を遂げ,現在は分子標的治療,細胞治療の臨床応用が始まる直前の段階にきている。神経内科の臨床においても,各種疾患における診断・治療に関する膨大なエビデンスに基づき多くのガイドラインが構築されつつある。しかし,一線の神経疾患外来診療において最も重要なものは病歴に基づく適切な診断と治療に向けたオリエンテーションであり,これは普遍的であり今後も確固として変わらない。
北野邦孝先生による『神経内科の外来診療――医師と患者のクロストーク』は初版が2000年に出版されて大きな反響を呼んだ。わが国では先駆的であった神経内科専門クリニックからの非常に実践的な経験や哲学を含んだ内容に,多くの神経内科医は感動を覚えたものである。このたび第3版を迎えた本書では,さらにバージョンアップした神経内科外来診療におけるコンセプトが見事にまとめられている。
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