書評
「〈アクチュアル脳・神経疾患の臨床〉小脳と運動失調 小脳はなにをしているのか」―西澤正豊●専門編集 辻 省次●総編集
金澤 一郎
1
1国際医療福祉大学大学院
pp.668
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101518
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「小脳はなにをしているのか」という問いに,現在のわが国の英知を結集して挑戦したのが本書である。専門編者である西澤正豊先生が序で書かれたように,わが国には伊藤正男先生という小脳の基礎研究の巨人と,脊髄小脳変性症(SCD)の運動失調に対する治療薬のTRHを世に出された祖父江逸郎先生という小脳疾患研究の巨人がおられる。このことが日本での小脳機能あるいは小脳疾患への関心を高めてきた。その表れが厚生労働省の「運動失調症調査研究班」であり,昭和50年に始まった後,現在までに挙げた功績は数限りない。特に疫学的研究と脊髄小脳変性症各病型の病因遺伝子に関する業績は世界に誇るべきものである。
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