Japanese
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連載 神経学を作った100冊(64)
ガワーズ『てんかんと,他の慢性痙攣性疾患』(1881)
One Hundred Books which Built up Neurology (64)-William Richard Gowers: "Epilepsy and Other Chronic Convulsive Diseases: Their Causes,Symptoms,&Treatment" (1881)
作田 学
1
Manabu Sakuta
1
1日本赤十字社医療センター神経内科
1Department of Neurology,Japanese Red Cross Medical Center
pp.488-489
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101179
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ガワーズが1881年に出版したこの書物には,彼の経験した,1,450例のてんかん患者の経験がぎっしりと詰まっている1)。この一部はGulstonian lectureとして1880年にロンドンのRoyal College of Physiciansで報告されたものであるが,それを全面的に書き換え,xiv+309頁の書籍として刊行した。このときガワーズが36歳の若さであったことを考えると,彼の臨床努力がいかに完璧を期するものであったかが偲ばれる。
この書物に欠けているものがあるとすれば,それは脳波であろうが,これは1929年のハンス・ベルガー(Hans Berger;1873-1941)による脳波の発見を待たねばならない。
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