Japanese
English
連載 神経学を作った100冊(49)
シュワン『動物および植物の構造と発育の一致に関する顕微鏡的研究』(1839)
One Hundred Books which Built up Neurology (49)-Theodor Schwann "Microskopische Untersuchungen uber die Uebereinstimmung in der Struktur und dem Wachsthum der Thiere und Pflanzen" (1839)
作田 学
1
Manabu Sakuta
1
1日本赤十字社医療センター神経内科
1Department of Neurology,Japanese Red Cross Medical Center
pp.88-89
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100823
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シュワン(Theodor Schwann;1810-1882)は,デュッセルドルフの南西近郊にあるノイスに生まれた。父は本屋をしていたという。1829年にボン大学に入学し,卒業後,学位の研究をヴュルツブルグ大学とベルリン大学,特にミュラー(Johannes Müller;1801-1858)の研究室で行った。つまり,レマーク(Robert Remak;1815-1865)とは同門ということになる。
1839年に29歳で出版した本書は,動物と植物は核を持ってさまざまに分化した細胞から構成され,細胞の増殖がすべて一定のパターンで生じ,細胞外に見出される組織もすべて細胞にその起源を持ち,その意味で動物と植物の間には基本的な一致がみられる,という細胞説を打ち出しており,その意味で画期的な書物であった。さらにその説を説くうえで,神経線維にも論が及ぶ。
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