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カナダでは心疾患,糖尿病,高血圧,脂質異常症などの生活習慣が原因となる慢性疾患を予防するために,DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食や,フルーツ・野菜・全粒穀物・野菜・ナッツ類・植物性タンパク質を多く摂取することが推奨されています.しかしながら,これらの推奨された食生活の指導は困難な場合も少なくありません.今回ご紹介する文献は,これらの食品を摂取するよう助言する場合に,食品そのものを提供することがどれだけ心疾患の危険因子を改善するために有効かを検討しました.
対象は919名の18歳以上のカナダ在住の健常者のうちBMI 25kg/m2以上の者です.糖尿病,心疾患,悪性腫瘍,肝疾患などの既往がある者は除外されています.対象者はコントロール群,助言のみ提供された(助言提供)群,食品のみ提供された(食品提供)群,助言と食品の両者を提供された(助言+食品提供)群の4群に分けられて,コントロール群と他の3群の参加者の合計人数がおよそ1対1になるようにデザインされランダム化比較試験が行われました.試験開始時にはすべての群に,カナダで推奨されている健康食事ガイドの冊子が配布され,助言提供群には,最初の1カ月は週1回のペースで食生活に関する助言を電話で行い,以後の2〜6カ月は月1回の頻度で電話での助言を継続しました.食品提供群には約6カ月間,推奨されている内容に沿った食品を週に1カゴ分提供し,助言+食品提供群には上記の助言と食品提供の両方を行いました.主要評価項目は体重で,副次評価項目は腹囲,推奨食物の摂取量,血圧,脂質,血糖値とし,試験開始後6カ月目と18カ月目でベースラインからの変化を比較し評価しました.
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