特集 食事療法Revisit
食事療法への指導法の変遷—なぜそうなってきたか,それによって何が変わったか
本田 佳子
1
1女子栄養大学栄養学部医療栄養学研究室
pp.467-471
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200442
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はじめに
栄養食事療法は,①栄養素成分とその量,あるいは栄養素成分の相互の比率,②栄養を人体内に取り入れる回数,時刻,速度,③食物から食事にする調理・調整,料理相互の組み合わせ,食事の形式を示し,疾患の治療あるいは進展・増悪阻止を行うものである1).また,この食事療法を患者自身が日常生活で実践できうるように指導あるいは教育する行為を栄養指導あるいは栄養教育という.
栄養指導は患者との関係を一定に保ち必要に応じて療養生活を支援し,その支援は生涯にわたる場合がある.一方,栄養教育は生涯にわたり療養のための食生活を患者の主体により営むための教育目標を設定し,その目標達成に対応して一定期間に限定し行うものである.実臨床において「教育入院」と呼称し教育プログラムを設定して行っている場合は後者の「栄養教育」に該当し,外来/入院で行われる個別/集団栄養指導や栄養教室は栄養指導目標は明確にしているが,生涯にわたり療養のための食生活への教育となるプログラムを設定していないので,前者の「栄養指導」に該当する.しかし,多くは栄養教育と栄養指導を混同した概念で捉えられ行われているのが現状である.
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