こんな時どうする!? 糖尿病患者によくみられる皮膚症状
皮膚瘙痒感(2)
末木 博彦
1
1昭和大学医学部 皮膚科学講座
pp.130-131
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200352
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■内科医からのQuestion
70歳台の女性.25年前に糖尿病を指摘された.現在はインスリン治療中.コントロール不良で3年前より持続性蛋白尿,顕性アルブミン尿あり,糖尿病腎症と診断されている.2カ月前より激しい瘙痒感とともに体幹に爪甲大までの痒疹丘疹が多発.近医皮膚科で強力なステロイド外用薬を処方されているが,改善しない.診断ならびに今後の治療方針は?
■皮膚科医からのAnswer
体幹・四肢に瘙痒感の強い丘疹・結節が多発し,仔細に観察すると中央がやや陥凹し,痂皮を伴っている(図1).生検組織で膠原線維が表皮を貫通して角層内へ排泄される像(trans epidermal elimination)が認められ,後天性反応性穿孔性膠原線維症と診断される.治療としては瘙痒の抑制がポイントであることから,エバスチン10 mg錠など肝排泄性の抗アレルギー薬を効果により倍量まで投与する.効果不十分の場合は皮膚科に依頼し,追加治療を行う.
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