増大号特集 糖尿病「前熟考期」の壁―あなたはどうして平気でいられるの?
Ⅰ座談会
糖尿病の壁,前熟考期の壁―何を聞き出し,いかに伝える
赤井 裕輝
1
,
番度 行弘
2
,
南 昌江
3
,
石井 均
4
1東北労災病院糖尿病代謝センター
2福井県済生会病院内科
3南昌江内科クリニック
4奈良県立医科大学糖尿病学講座
pp.355-362
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101729
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赤井 本日はよろしくお願いいたします.
早速ですが,私が最近経験した患者さんを紹介します.
60代前半の女性でHbA1cは6~7%,「少し眼がかすむ」との主訴でしたが,糖尿病の治療歴はありません.体重が10kg減少し,その原因精査のため8月頃に登録医より紹介されました.しかし,胃カメラを拒否.エコーはやってもいいとのことで行ったところ,大きな胃癌は否定的.大きな胆石と多くの残尿が認められ,神経因性膀胱が疑われました.また,眼底写真では前増殖網膜症が見つかりました.痩せは糖尿病の悪化によると考えられ,しっかり治療するよう20~30分かけて説明したのですが,入院は納得なさらずお帰りになりました.
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