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共通の壁を前にして—ケースワーカーから保健婦へ
手塚 ユキ
1
1関市磐井病院
pp.45-46
発行日 1960年6月10日
Published Date 1960/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202112
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御便り拝見して全く同感です.貴女が感じられている疑問,私も毎日の様に感じています.それで色々な機会に保健所及び国保保健婦と触れ合う時や又保健婦を中心にした地区の衛生関係者等の話合いの席で保健婦について感じた事を「特に医療制度の中での保健婦の位置づけ」という事について私なりに考えた事を,ざつくばらんに書いてみたいと思いますので,是非後で批判して戴きたいと思います.
貴女がおつしやる様に社会保障制度の不備がみんな保健婦に押しつけられている様だという事,私も毎日感じている事です.憲法第25条には「国民はすべて健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する.国民はすべての生活部面において,社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上並びに増進に努めなければならない.」とあります.この条文を満足させるために社会保障制度があり,その「健康な生活」と「公衆衛生の向上」に努めるべく医療制度というものがあると思うんです.そして「国民の健康を国家が保障する」という事は,今日文明国ならどこの国でも考えられ,実際に実施されもしていると思うんです.唯その保障の程度に色々の段階があるというだけの違いで.
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