特別企画 Master's Case File◆心に残った症例
「先生,驚かないでください.」
鈴木 大輔
1
1すずき糖尿病内科クリニック
キーワード:
1型糖尿病
,
自己血糖測定
Keyword:
1型糖尿病
,
自己血糖測定
pp.420-421
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101533
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症例の紹介
現在は27歳,男性の1型糖尿病患者である.高校1年生の16歳になったことを機会に小児科から私の外来に紹介となった.初診時のみ父親が同席したが,それ以降は1人で来院している.1歳で発症し,糖尿病性ケトアシドーシスや低血糖で数回入院している.当時,身長は137cm,体重は38kg(現在は149cm,47kg).初診時すでに両親は離婚しており,タクシー運転手である父親と双子の弟の3人暮らしであった.コントロールは不良でHbA1c(以下JDS値)は14~16%であった.当時は毎食前の速効型インスリンと眠前の中間型インスリンによる強化インスリン療法を行い,それと同時に自己血糖測定の結果に応じてインスリンを自己調節していた(例えば,昼食前の血糖値が2日続けて250mg/dL以上なら翌朝のRを1単位増量,2日続けて70mg/dL未満なら1単位減量など).その後は毎食直前の超速効型インスリンと持効型溶解インスリンの強化インスリン療法に変更し,自己血糖測定の結果に基づく自己調節を併用しながら外来通院していた.受診のたびに,センサーは最大量持ち帰っている.HbA1c値はごく稀に6%台もあるが,多くは7~8%台であった.
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