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特集 各種ガイドラインを糖尿病治療に生かすには
禁煙ガイドライン
Guidelines for Smoking Cessation(JCS)
佐々木 温子
1
1東京衛生病院 内科
キーワード:
①禁煙
,
②禁煙治療ガイドライン
,
③NCDs
,
④2型糖尿病
,
⑤体重
Keyword:
①禁煙
,
②禁煙治療ガイドライン
,
③NCDs
,
④2型糖尿病
,
⑤体重
pp.165-170
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101471
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はじめに
2型糖尿病,心疾患,がん,慢性呼吸器疾患などの非感染性疾患は,non-communicable disease(NCDs)と呼ばれ,世界で毎年3,500万人が死亡し,死因の60%を占めている.その発症や進行に関与するのが,過度の飲酒,不健康な食事,運動不足,そして本稿のテーマである喫煙などの生活習慣である.
ひと口に生活習慣といっても,喫煙は他の生活習慣と根本的に異なる点がある.それは喫煙は単なる悪習慣でなく,ニコチンという依存性のある薬物摂取であるという点である.ニコチン摂取と同時に多くの有害物質を体内に取り込み,タバコの燃焼を介して有害物質がさらに産生され,全身疾患をもたらす.喫煙に適量はなく,ここまでは安全という閾値がない.このような商品は,製造・発売禁止となって当然であるが,タバコ産業は国際的な超巨大産業に成長している.対策は全世界的な規模で行う必要があるとして,WHOはたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(Framework Convention of Tobacco Control : FCTC)を2005年に発効した.日本も2004年に批准している.しかし,タバコの販売は現在もなお合法であり,タバコのもつ依存性や喫煙の害の情報を十分に知らされていない状況で人生初めての喫煙を経験し,知らない間に依存症に陥り,自らの喫煙により周囲の人々の健康をも損ないながら,NCDsの発症へと至っているのが現状である.
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