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特集 脳・心・腎連関を見逃さない
Ⅱ脳・心・腎連関各論
CKDと脳血管障害―疫学,病態,治療
CKD and cerebrovascular disease epidemiology,pathogenesis,treatment
勝又 俊弥
1
1日本医科大学 内科学講座 神経・腎臓・膠原病リウマチ部門
キーワード:
①慢性腎臓病
,
②脳血管障害
,
③アルブミン尿
,
④推算GFR
Keyword:
①慢性腎臓病
,
②脳血管障害
,
③アルブミン尿
,
④推算GFR
pp.327-331
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101357
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はじめに
慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease : CKD)の頻度は日本腎臓学会によれば,わが国の成人人口において約1,330万人(12.9%)とされており,さらにCKD発症には高血圧や糖尿病などの生活習慣病の関与も大きいため,common diseaseの一つと考えられている1).また,CKDは末期腎不全だけでなく,心筋梗塞や脳血管障害など心血管系疾患の危険因子であるとともに,心筋梗塞や脳血管障害で入院や死亡するリスクが高いことが報告されている1).これらの報告などにより,CKDは早期発見と早期に治療介入することが重要であると考えられている.
一方,脳血管障害は日本において死因の第3位であり,寝たきりになる疾患原因の第1位である2).近年の生活環境の変化に伴い,脳血管障害の危険因子も高血圧,糖尿病,脂質異常症など以前より認められているものからCKDやメタボリック症候群など様々な因子の関与が指摘されている2).このような背景の中,最近CKDと脳血管障害の関連についての知見が増えてきた.
本稿では両者の関連について,疫学,病態,治療について概説する.
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