血管石灰化病変治療 脳血管障害治療―CKD-MBDにおける脳血管障害の治療戦略

Management of stroke in CKD-MBD

はじめに

　脳卒中患者では，超急性期の機械的血栓回収療法や経静脈的血栓溶解療法，急性期の血圧管理や脳保護薬，慢性期の直接作用型経口抗凝固薬（direct oral anticoagulants：DOAC）や新規抗血小板薬などの使用によって，生命予後と機能転帰の改善および再発予防が期待できるようになってきた。一方，慢性腎臓病（chronic kidney disease：CKD）患者では，虚血性・出血性いずれの脳卒中発症リスクも高いにもかかわらず，「脳卒中治療ガイドライン2021」^1）においても，いまだ推奨度やエビデンスレベルの高い記述が少ないのが現状である。