Japanese
English
特集 脳・心・腎連関を見逃さない
Ⅱ脳・心・腎連関各論
脳・心・腎連関の観点からみたメタボリックシンドローム
Metabolic syndrome associated with increased risk of stroke,ischemic heart disease and chronic kidney disease
向井 直子
1
,
清原 裕
1
1九州大学大学院医学研究院環境医学分野
キーワード:
①メタボリックシンドローム
,
②心血管病
,
③脳梗塞
,
④虚血性心疾患
,
⑤慢性腎臓病
Keyword:
①メタボリックシンドローム
,
②心血管病
,
③脳梗塞
,
④虚血性心疾患
,
⑤慢性腎臓病
pp.321-326
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101356
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
脳卒中や虚血性心疾患など心血管病の危険因子である肥満,高血圧,糖代謝異常,脂質異常症は合併しやすいことが古くからよく知られている.近年,内臓肥満を基盤としてこれら危険因子を合併した状態はメタボリックシンドローム(MetS)と呼ばれ,心血管病のみならず慢性腎臓病(CKD)の危険因子として注目されている.わが国では,2008年度からMetSに着目した新しい健診制度である特定健康診査・特定保健指導が実施され,心血管病をはじめとする生活習慣病の予防につながることが期待されている.しかし,わが国の地域住民を対象にMetSが心血管病およびCKD発症に及ぼす影響を検討した報告はいまだ数少ない.
そこで本稿では,福岡県久山町において長年にわたり継続中の疫学調査(久山町研究)の成績を用いて,MetSと心血管病およびCKDの関係を検討し,MetSの意義を明らかにする.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.