特集 Brush Up! CDE 症例から考える糖尿病療養指導
Ⅱ食事療法
食事療法はカロリー制限だけでよいのか?
脇 昌子
1
1静岡市立静岡病院 内分泌・代謝内科
キーワード:
①過剰な減量
,
②エネルギーバランス
,
③時間栄養学
Keyword:
①過剰な減量
,
②エネルギーバランス
,
③時間栄養学
pp.195-198
発行日 2012年3月31日
Published Date 2012/3/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101330
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
食事療法の指導のポイント
糖尿病の食事療法は,その病態によらず治療の基本となる.健康で長寿をめざす「バランスのよい健康食」であるとともに,1型糖尿病においてはインスリン療法による食後血糖の管理をしやすくするものが,また2型糖尿病においてはインスリン抵抗性によりインスリン需要を増す肥満を防止するため,摂取エネルギーが過剰ではないものが基本になる.
栄養素配分はエネルギー量の55~60%を炭水化物から,また標準体重あたり1.0~1.2g量の蛋白質を,残りを脂質から摂るのが基本的なバランスとされている1).血糖を上昇させにくい低糖質食の有効性も示されているが,どの程度の制限でどれほどの長期にわたって有効かつ安全性であるかについてまだ知見が十分ではない.個々に病態や合併疾患および嗜好に応じて栄養素配分を考えていく.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.