効果をあげた2段階指導法

Effective method : two-step approach

はじめに

　日本人2型糖尿病患者は欧米と比較して肥満が少ないとされてきたが，1996年に調査が開始されたJapan Diabetes Complications Study（JDCS）登録時のデータ^1）をみても，登録患者と一般人口の平均BMIはそれぞれ23.1，22.7とほぼ同程度であった．しかし，近年わが国においても，食生活や身体活動における社会環境の変化などにより肥満者の増加がみられ，とくに男性ではBMI 25以上の割合が1996年から2007年のあいだに5%以上も増加しており^2），臨床の現場でも，肥満を伴う糖尿病患者を診察する機会が増えてきていることを実感する．一般に肥満を伴う糖尿病患者はライフスタイルの変更が困難であり指導に苦慮することが多い．本稿では，肥満糖尿病患者，とくに初発例について筆者らが実践している「2段階指導法」について紹介し，自験例を含めて述べる．