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特集 糖尿病治療の至適HbA1cを再考する
糖代謝異常合併妊娠治療の至適HbA1c―私の考え―先天奇形をエンドポイントにしてみたとき
Optimal HbA1c level in pregnant women with diabetes mellitus and gestational diabetes mellitus for prevention of congenital anomaly
和栗 雅子
1
1大阪府立母子保健総合医療センター 母性内科
キーワード:
①糖尿病合併妊娠
,
②妊娠糖尿病
,
③HbA1c
,
④先天異常
Keyword:
①糖尿病合併妊娠
,
②妊娠糖尿病
,
③HbA1c
,
④先天異常
pp.513-516
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101096
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□はじめに
糖代謝異常妊娠は糖尿病合併妊娠と妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus;GDM)とに大きく2つに分けられる.糖尿病合併妊娠は妊娠前に糖尿病と診断された女性が妊娠した場合をいい,GDMとは妊娠中に発症または初めて発見された耐糖能低下のことをいう.
糖代謝異常妊婦では,母体の高血糖により種々の母体,胎児・新生児合併が起こりうる.ただ,血糖は食事・運動・インスリンの量や時間帯により1日のうちにかなり変動するため,個々の血糖自己測定(self-monitoring of blood glucose:SMBG)内容を把握し比較することは難しい.そのため,従来より1~2カ月前からの平均血糖指標であるHbA1cを母体の血糖コントロール状態の指標として用いてきた.
ここでは,当センターにおける妊娠初期のHbA1c別での児の先天奇形の頻度に関する検討結果をもとに,胎児合併症のうち先天奇形をエンドポイントとしたときの糖代謝異常合併妊娠治療の至適HbA1cについて,私見を述べたいと思う.なお,本稿で使用しているHbA1cはすべてJDS値である.
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