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HbA1c国際標準化をめぐる世界の動向とわが国の対応
グリコヘモグロビン(Tips 1)の測定は,慢性血糖コントロール状態の評価に有用で,頻回に測定され,糖尿病慢性血管合併症の発症リスクを推定する方法として確立されている.とくにDCCT(Diabetes Control and Complications Trial)1),UKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)2),熊本Study3)の研究成果から,1型,2型糖尿病ともに慢性血管合併症の発症・進展予防のための慢性血糖コントロール状態の管理指標としてHbA1c値測定の有用性が確立されている.
ところが,HbA1c測定値は国際標準化がなされてなく,米国のNGSP(National Glycohemoglobin Standardization Program)値,わが国のJDS(Japan Diabetes Society)値,北欧で使用されているMono S値は,臨床的に同一であると考えられていた.そこで,これらHbA1c測定に関する国際標準化が国際臨床化学連合(International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine:IFCC)を中心に検討された4,5).その結果,2007年,4学会〔米国糖尿病学会(American Diabetes Association:ADA),ヨーロッパ糖尿病学会(European Association for the Study of Diabetes:EASD),国際糖尿病連合(International Diabetes Federation:IDF),IFCC〕合同コンセンサス・ステートメントが出され6,7),わが国でもHbA1c国際標準化に向けて対応していくことが決定され,学会誌に報告された8,9)(Box 1).
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