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特集 糖尿病治療の至適HbA1cを再考する
高齢者糖尿病治療の至適HbA1c―私の考え
HbA1c target for elderly patients with diabetes―a personal view
相澤 徹
1
1社会医療法人財団慈泉会相澤病院糖尿病センター
キーワード:
①高齢者
,
②HbA1c
,
③個別性
Keyword:
①高齢者
,
②HbA1c
,
③個別性
pp.507-512
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101095
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Beyond clinical ‘Trialism’
高齢者の糖尿病は多面性に富む.それは,糖尿病罹病歴の長短,糖尿病血管合併症の軽重,糖尿病管理上問題となる身体的,精神的,社会医学的問題の有無と程度,糖尿病に関連しないまたは関連するか否か判断しにくい健康障害の有無と程度,患者自身の価値観,疾病・人生観の多様性,などによる.高齢者が本来もっている多面性・多様性の反映でもある.糖尿病は元来極めて多様性に富む疾患だが,高齢者はその典型である.
近代的な医療・医学の発展と進歩に伴って,より軽度の健康障害への医療的対応,(目前の苦痛や障害の除去でなく)将来のQOL劣化防止と健康寿命延伸を目標とする医療,すなわち「医療の上流シフト」が加速している.受療者の幅の広がりとともにあらゆる疾患の管理・治療は個別化に向かっている.
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