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特集 糖尿病合併症とその治療に関するエポックメーキングトピックスの展開
日本人糖尿病患者の合併症についての長期研究JDCSは何を明らかにしてきたか
Findings from the Japan Diabetes Complications Study:Long-term prospective study regarding diabetic complications in Japanesepatients with type 2 diabetes
曽根 博仁
1,2
1筑波大学大学院疾患制御医学
2水戸地域医療教育センター内分泌代謝・糖尿病内科
キーワード:
Japan Diabetes Complications Study
,
JDCS
,
血管合併症
,
危険因子
,
人種差
,
エビデンス
Keyword:
Japan Diabetes Complications Study
,
JDCS
,
血管合併症
,
危険因子
,
人種差
,
エビデンス
pp.385-389
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101072
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JDCSの背景とは?
2型糖尿病とその合併症の病態や特徴には,人種差や民族差があることが知られている.わが国のものも含めたこれまでの糖尿病診療ガイドラインの多くは,欧米の大規模臨床研究に基づいて築かれてきた.しかし,その研究対象者には,アジア人(とくに東アジア人)は含まれていたとしても少数であり,したがって,その結果が日本人患者にも当てはまるという保証はない.日本人糖尿病患者を対象にした大規模臨床エビデンスが求められてきた所以である.
Japan Diabetes Complications Study(JDCS)1,2)は,日本人2型糖尿病患者を対象にした大規模臨床介入研究で,1996年に開始された.目的は,①現代日本の糖尿病専門施設に通院する2型糖尿病患者の病態や治療状況などについて前向きに調査すること,②生活習慣改善を中心とした強化治療が,2型糖尿病患者のコントロールや予後を改善するかを検討すること,の2つであり,最終的にはそれらを通じて,日本人ならびに東アジア人に適した糖尿病治療エビデンスの確立に寄与することである.
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