特集 患者の将来を見据えた実践的糖尿病診療―脱 “血糖屋さん” のススメ
[Chapter 2] 血糖値だけではないアプローチ
エビデンスから紐解く糖尿病に対する多因子介入の効果
笹子 敬洋
1
1東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科
キーワード:
2型糖尿病
,
血管合併症
,
生命予後
,
臨床試験
Keyword:
2型糖尿病
,
血管合併症
,
生命予後
,
臨床試験
pp.1107-1111
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_1107
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▪2型糖尿病に対する多因子介入の効果を検証した代表的な臨床試験として,Steno-2,ADDITION-Europe,J-DOIT3,NID-2,DNETT-Japanがあげられる.
▪厳格な多因子介入は,全体としては心血管イベントや腎イベントに対して,抑制する方向に作用したと考えられる.
▪より最近の試験では,各危険因子の治療状況や死亡率などに改善がみられ,糖尿病治療の進歩を反映しているものと解釈できる.
▪各危険因子がどの合併症にどのような影響を及ぼしたか,あるいは多因子介入がその他の併存症も抑制するのか,などが今後の課題としてあげられる.
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