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□プロローグ:糖尿病教室でしっかり勉強したので,退院後もこれを続けていきます(行動期)
【症例18-1】56歳男性,2型糖尿病
2年前人間ドックで糖尿病を指摘され,経口血糖降下薬を勧められたが,「(どんな効果が出るか)怖かった」ので飲まないまま放置.
最近になって疲労感が持続するようになった.「風邪にしてはあまりにしんどい」と思い,近医を受診したところ,(空腹時)血糖値が200mg/dL以上,HbA1C9.5%で当科への入院を勧められて受診された.身長165cm,体重58kg,BMI21.3.
これまでの療養については,「糖尿病であることはどこかで気にしていた.食事も控えめにはしていたが,血糖値が200(mg/dL)になるとどうなるかピンと来なかった.酒も飲んでいたし,とくに強く注意していたということはない」ということであった.
糖尿病教育コースを希望し,奥様とともに受講された.高血糖は少量の経口血糖降下薬で軽快した.合併症は認められなかった.
受講後の感想は以下のようであった.
・「なんとなくわかっていたつもりでしたが,知らないことばかりでした.」
・「合併症の話を聞いたときは,やはり怖いというか,重い気分になりましたが,今は知ってよかった.これで治療をする理由がわかったと思います.」
・「定年も遠くないし,将来のことを考えなくては.」
・「仕事上の酒はだめだと思っています.目の前にあるとつい飲んで,食べてしまいます.それをどうしていくか考えなくては.」
また,療養法については「役に立つことがよくわかった」と話され,退院後の自己管理については下表のような計画を立てられた.
最後に不安として一言,「正月が乗り切れるかな」と言われて退院された.
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