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Research Note●研究ノート
日本人における糖負荷試験後1時間血糖値の上昇要因―OGTT負荷後1時間血糖値はどのように上昇するのか
Factors responsible for elevation of one-hour postchallenge plasma glucose levels in Japanese men
原田 範雄
1
,
福島 光夫
2,3
,
清野 裕
4
,
稲垣 暢也
1
1京都大学大学院医学研究科 糖尿病・栄養内科学
2岡山県立大学栄養内科学
3先端医療センター健康情報研究グループ
4関西電力病院
pp.578-580
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101007
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◆経口ブドウ糖負荷後1時間血糖値の重要性について
糖尿病の診断に,経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)は重要な役割を果たしている.空腹時血糖値(FPG)110mg/dL未満かつ負荷後2時間血糖値(2h-PG)140mg/dL未満を正常型(NGT:normal glucose tolerance),FPG 126mg/dL以上,または2h-PG 200mg/dL以上を糖尿病型と判断され,正常型,糖尿病型にも該当しないものを境界型と判定している(Box 1).しかし,負荷後1時間血糖値(1h-PG)が180mg/dL以上を示す正常耐糖能を有する者は,糖尿病への移行が高いことや200mg/dL以上を示す場合では,虚血性心疾患の危険が高いことが報告されている1,2).また妊娠糖尿病において,1h-PG値の上昇は,巨大児の出産や母胎への合併症発症の危険が高いことから,負荷後1時間血糖値を診断基準に採用されている3).1h-PG値は,糖尿病の診断基準には反映されないが,OGTTの際には常に測定され,臨床的意義がかねてから指摘されている.1h-PG値の血糖上昇要因については十分に解明されていない.
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