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特集 最新のデータに基づく日本人の糖尿病治療 日本人2型糖尿病の本質にせまる
実地診療におけるインスリン抵抗性の評価法とその生かし方
How to evaluate insulin resistance indices in clinical practice?
大久保 雅通
1
1内科(糖尿病)久安医院
キーワード:
①インスリン抵抗性
,
②HOMA-R
,
③BMI
,
④ウエスト周囲径(腹囲)
Keyword:
①インスリン抵抗性
,
②HOMA-R
,
③BMI
,
④ウエスト周囲径(腹囲)
pp.241-244
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100941
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初診の糖尿病患者では必ずHOMA-Rをチェックしなければならないのですか
はじめに支払基金の審査委員から,筆者が受けた質問を紹介する.「HOMA-Rを糖尿病患者に毎年測定しているレセプトがあるのだが,診療報酬上このようなケースを認めるべきかどうか意見を聞かせて欲しい」という内容である.
従来インスリン抵抗性を知るためには,グルコースクランプ法やSSPG法のような時間と手間のかかる方法に頼らざるを得なかった.これに対してHOMA-Rは,空腹時の血糖とインスリンを測定するだけで算出することができる(Tips 1).特にHOMA-Rは,集団におけるインスリン抵抗性の指標として有用と考えられる1).例えば米国に移住した日系人は,遺伝的に日本人と同一の集団であるが,明らかにインスリン抵抗性が増強している.Box 11)は空腹時血糖値のレベルごとに,血中インスリンを日系人と日本人で比較した成績である.性,年齢,BMI等の因子を調節しても,両者の間には空腹時インスリンの濃度に差があり,日本人よりも日系人のHOMA-Rが大きいことがわかる.
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