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特集 最新のデータに基づく日本人の糖尿病治療 日本人2型糖尿病の本質にせまる
グルコースクランプ法からみたインスリン抵抗性の臨床指標
Clinical index of insulin resistance assessed by glucose clamp technique
絵本 正憲
1
,
西沢 良記
1
1大阪市立大学大学院医学研究科 代謝内分泌病態内科学
キーワード:
①インスリン抵抗性
,
②グルコースクランプ法
,
③人工膵臓
Keyword:
①インスリン抵抗性
,
②グルコースクランプ法
,
③人工膵臓
pp.219-224
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100937
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インスリン抵抗性は,境界型や糖尿病の高血糖の原因のみならず,メタボリックシンドロームや動脈硬化発症・進展にいたる基礎的な病態として注目されている.インスリン抵抗性状態は,高血糖,高血圧,高トリグリセリド血症,低HDL血症,高尿酸血症などの病態と直接関連する.また,有酸素運動療法,経口血糖降下薬であるピオグリタゾン,メトホルミン,グリメピリド,降圧薬であるアンジオテンシン受容体拮抗薬などは,インスリン抵抗性の改善作用を期待して臨床使用されており,インスリン抵抗性を臨床診断・評価する必要性は高まっている.
ヒトにおいて,簡便かつ正確に診断評価しうるインスリン抵抗性の評価法は,いまだ十分に確立しておらず,ゴールドスタンダードとされてきたグルコースクランプ法の臨床応用においても,その標準的な方法や解釈にはこれまで一定のコンセンサスは得られていなかった.近年,日本糖尿病学会の日本人におけるインスリン分泌とインスリン抵抗性に関する委員会において,インスリン分泌と抵抗性に関するさまざまな方法と指標について検証されつつある.本稿では,DeFronzoらの原法に準じて人工膵臓を用いて行うグルコースクランプ法と,2型糖尿病を中心とした著者らの同法による知見を概説する.
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