今月の臨床 PCOS─新たな視点
PCOSの病因
1.インスリン抵抗性
岩下 光利
1
1杏林大学医学部産科婦人科
pp.1161-1165
発行日 2006年9月10日
Published Date 2006/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101271
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はじめに
多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)にみられるインスリン抵抗性,すなわち高インスリン血症はPCOSの病態の1つというだけでなく,PCOSの発症そのものに深くかかわっていることが明らかとなってきた.肥満はインスリン抵抗性を伴うが,肥満を合併したPCOSは肥満だけの症例よりインスリン抵抗性が強く,非肥満のPCOSでもインスリン抵抗性がみられる1, 2).これらのことから,PCOSのインスリン抵抗性はPCOSに本質的な病態であると考えられるようになった.本稿では,インスリン抵抗性からみたPCOSの病態を最近の知見を交えながら解説する.
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