増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
                        
                        
                
                  
                  
              
              
              
                  
                  
                  
                  
                            
                                    血液生化学検査
                                    糖質および関連物質
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    グルコース
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                丸山 道彦
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            ,
                                        
                                    
                                    
                                        
                                            
                                                阪本 要一
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                
                            
                        
                
                
                
                  1東京慈恵会医科大学附属柏病院総合内科
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.333-338
                
                
                
                  発行日 1999年10月30日
                  Published Date 1999/10/30
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906371
                
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- 1ページ目
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
グルコース(ブドウ糖)は分子量180の単糖で,血液中の糖質の主成分であり,生体のすべての細胞の(中枢神経系にとっては唯一の)エネルギー源として最も重要な物質である.血中のグルコース濃度を血糖値といい,その恒常性(homeostasis)は血糖調節機構によって維持されている.生体内のグルコースは,大部分がグリコーゲンとして筋や肝に貯蔵されており,空腹時や絶食時には主にグルカゴンの作用によって,肝のグリコーゲン分解や糖新生から生成したグルコースが他の組織のために供給される.食物摂取時は,食物由来のグルコースが腸管から吸収されて血糖値が上昇すると,瞬時に膵β細胞からインスリンが分泌される.インスリンは体内に栄養を貯蔵する方向に作用し,門脈インスリンレベルの上昇は肝糖放出率を低下させ,全身の筋や脂肪組織での糖取り込みを促進して血糖値が低下する.夜間も血糖値が正常値を保っているのは,インスリンやグルカゴンがバランスを取り合い,肝糖放出率と全身の糖取り込み率が一致しているためである.この際,骨格筋や脂肪組織の糖の取り込みはインスリンに依存しているが,脳,肝,腎,胎盤,赤血球などはインスリンに依存せずに糖を消費している.

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