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特集 最新のデータに基づく日本人の糖尿病治療 日本人2型糖尿病の本質にせまる
ハワイ在住日系米人と日本人のインスリン分泌能の特徴
Differences in insulin secretion between Japanese-Americans living in Hawaii and native Japanese people living in Hiroshima
中西 修平
1
,
志和 亜華
1
,
河面 智之
1
,
山根 公則
1
1広島大学病院内分泌・糖尿病内科
キーワード:
①インスリン分泌
,
②インスリン抵抗性
,
③生活習慣
,
④疫学
Keyword:
①インスリン分泌
,
②インスリン抵抗性
,
③生活習慣
,
④疫学
pp.213-217
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100936
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日本人の海外への移住は19世紀後半から始まり,現在も多くの子孫が日系米人社会を形成し居住している.なかでも米国(ハワイ諸島,米国本土)への移民が最も多いとされている.移民が始まった当時の日本本土と米国では,食生活等の生活環境が大きく異なっていた1).近年,わが国において糖尿病の有病率が急激に増加しており,われわれはその主な原因として欧米型の高脂肪食摂取や運動不足を指摘してきた2).在米日系米人は遺伝的に純粋な日本人であるが,生活習慣の欧米化が早期にかつ高度に進行しており,したがって日本人と日系米人の医学調査を行い比較することにより,生活習慣の変化が日本人の疾病構造に与える影響を知ることが可能となる.本稿では,われわれが1970年から継続しているハワイ・ロサンゼルス日系米人医学調査の成績について,直近に行ったハワイ日系米人医学調査と,同時期に広島県で行った検診データとを比較し,特にインスリン分泌における研究成果に焦点を絞り解説を行う.
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